2021年にNetflixで配信が始まった『イカゲーム(Squid Game)』は、世界中に衝撃を与え、社会現象となった韓国発のサバイバルスリラーです。2025年にシーズン3で完結を迎えたこのシリーズは、ただの「デスゲームもの」ではなく、人間の欲望、絶望、希望、そして社会の闇を鋭く描いた作品として評価されています。今回は、シリーズ全体を通した知られざるトリビアを一挙紹介します!
※ネタバレを含みます ※画像は全てイメージです
元々は映画の脚本だった

監督ファン・ドンヒョクが2008年に執筆したのは、もともと映画の脚本。しかし、「あまりに暴力的で商業的ではない」という理由でどの映画会社からも拒否され、10年以上も温められていました。これが後にNetflixの目に留まり、シリーズ化が実現。
ギフンの「456」に隠された哲学

主人公ギフンの参加番号「456」は、単に最後の参加者番号ではなく、「何も持たない人間」の象徴と言われています。さらに、韓国語で「4」「5」「6」を連続して読むとリズム的に「最後の歩み」を暗示する音の流れになるという説も。
「ムクゲ花が咲きました」の人形は実在

シーズン1第1ゲームで登場したムクゲ花が咲きました(ダルマさんが転んだ)の巨大な人形は、実際に韓国の田舎の村に保存されています。撮影終了後、この人形は観光名所となり、ファンの巡礼スポットに。
綱引きシーンは全員ガチ

あの名シーン「綱引き」では、実際に俳優たちが本気で引き合っていたそうです。重い機材や安全ワイヤーもつけられていたが、ほとんどは俳優の筋力勝負だったという裏話があります。
フロントマンのマスクは西洋の騎士がモチーフ

フロントマンのマスクは、欧州の中世騎士の面頬(めんぽう)を参考にデザインされています。これには「権力」「支配」「冷酷な裁定者」という意味が込められていました。
ギフンの赤髪の秘密

シーズン1ラストでギフンが突然髪を赤く染めるシーンは、最終的に「人間性を捨てる覚悟」を示す色だと言われています。しかし、シーズン3で彼が再び髪を黒に戻すことで、「救いと再生」の伏線が回収されることに。
オ・イルナムは“神”の比喩

001番の老人オ・イルナムは、シリーズ全体を支配する「創造者」として描かれていました。シーズン1ではゲームの裏の主催者、そしてシーズン3では彼の過去の狂気がさらに明かされ、富裕層の欲望を「神の遊び」として皮肉る重要な存在でした。
シーズン2の潜入シーンは、実は最初から構想されていた

シーズン2でギフンがゲームに潜入する展開は、初稿段階からあったプロットの一部。監督は「ただ生き残るだけではなく、自分の意思で選択する姿を描きたかった」と語っています。
韓国の伝統遊びの復活

各ゲームの多くは韓国の昔の子供遊びがモチーフ。これらが「命がけ」に変わることで、社会批判とノスタルジーの両方を表現していました。韓国国内では子供たちの間で再び「イカゲーム」がブームになったという逸話も。
実はすべてのゲームの勝者はギフンだけではなかった?

シーズン3最終話でわかるのは、別地域でも同様の「イカゲーム」が並行して開催され、他の勝者も存在していたという事実。これは世界中で資金を回す富裕層の「投資競争」の一部として描かれています。
フロントマンの正体と兄弟愛

フロントマンことイ・インホは、刑事ジュノの兄。兄弟の絆はシリーズを通じて悲劇の象徴。シーズン3では二人が対峙し、最後はインホがジュノを助けるシーンで「壊れた家族の救済」という裏テーマが明かされます。
最終章での赤ちゃんの象徴

シーズン3終盤で、ギフンが赤ちゃんを助ける選択は「未来の希望」を象徴。これはシリーズ通しての「大人たちの無責任」と「子どもたちへの継承」の対比が込められていました。
VIPのマスクは実在の芸術作品がモチーフ

VIPの動物マスクは、実際に欧米のパフォーマンスアートに使われるデザインが元。監督は「人間の獣性と優雅さの二面性」を表現したと語っています。
最後まで謎だった「招待カード」

ギフンがずっと持っていた黒いカードは、単なるゲームの参加証ではなく「富裕層の世界への鍵」。シーズン3でギフンが捨てることで、完全な人間性の回復と決別を示します。
続編の可能性?

最終章で、アメリカに渡るシーンがありますが、ここで登場する「米国リクルーター(ケイト・ブランシェット)」はスピンオフの布石と噂されています。監督自身も「物語は終わったが、世界はまだ続いている」と発言しており、新たな物語の可能性を残しています。
🎬 結び
『イカゲーム』シリーズは、ただのサバイバル作品ではなく、極限状況での人間の醜さと優しさを徹底的に描いた壮大な人間ドラマでした。ゲームを通して暴かれる人間の本性と、ほんのわずかに残る「希望」が、世界中の視聴者を魅了し続けた理由でしょう。
完結した今もなお、考察やファンアート、さらには社会問題との関連分析など、多くの議論を呼び起こしています。これらのトリビアを知った上で再視聴すれば、さらに深い視点で楽しめるはずです。
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